三重大学工学部電気電子工学科

エネルギーシステム研究室


Energy System Lab. Department of Electrical and Electronic Engineering,
Faculty of Engineering, Mie University, JAPAN

最終更新日 2019-02-28

小型風力発電装置安全マニュアル及び管理マニュアル

 小型風力発電装置は発電時,高速で回転するため,取扱には危険を伴います。そのため安全マニュアルおよび管理マニュアルをここに掲示します。風力発電装置を扱う人は必ず一読しておいてください。

第1章 小型風力発電装置安全マニュアル

第1節 総則

1.目的

  • 本マニュアルは,小型風力発電装置の実験に関する安全上の注意事項や留意事項の指針を示したものである。

2.適用範囲

  • 本マニュアルは,三重大学工学部電気電子工学科電気システム講座制御システム・エネルギーシステム研究室が管理する小型風力発電装置の実験及び作業に適用する。

3.関連規定等の遵守

  • 小型風力発電装置の管理・運営にあたっては,本指針のほか「三重大学工学部健康安全のための手引き」を遵守の上安全に行わなければならない。

第2節 安全に関する注意事項

1.一般的注意事項

  • プログラムの作成,制御信号の確認等,実際に風車等の危険な機械を動作させない安全な作業以外は,基本的に一人で実験・作業を行うことの無いようにすること(事故等発生時危険であるため)。
  • 無人運転を行わない。
  • 実験後には実験設備を保管し施錠を行うこと。
  • 冬場においては火気の取扱に注意すること。
  • 実験を行わない時は電源を落とすこと。
  • 緊急事態が発生した場合は,直ちに職員に連絡を取り,必要な措置を取ること。

2.保護具等の着用

  • 作業を行うときには,長ズボン,軍手,靴下,靴を着用すること。
  • 共同作業をする際には声をかけ,確認を行うこと。

3.電気作業に関する注意事項

 上記2に加えて,防塵手袋を着用すること。

  • 200V以上の配電盤の先の電力線に関する配線作業は,職員及び有資格者以外は行わないこと。
  • 200V未満の配電盤の先の電力線に関する配線作業については,職員及び有資格者の監督の下で作業を行うこと。
  • 配線のチェック,変更等を行うときには電源が主電源から切り離されていることを確認してから行うこと。電気配線の作業前には次の事項を確認すること。
  • (a) ブレーカーが落ちていること。(b) コンセントを抜いていること。(c) テスターで電圧がかかっていないかを確認すること。インバータのコンデンサ等には電気が残っていることも予想されるので要注意。
  • 電気配線の作業中は貴金属を身に付けないこと。
  • 作業終了後には短絡がないか,漏電がないか,絶縁がなされているかを確認すること。

4.工具の使用に関する注意事項

  • 電動工具を使用する際には取扱に十分注意すること。また,軍手などをはめたままで工具を使用しないこと。
  • 重量物の運搬には,安全靴の着用とともに,足元に十分注意すること。
  • 切削等切りくずが飛散するような作業の際には防護眼鏡を着用すること。
  • 刃物を使用する際には長袖,長ズボン等の作業着を着ること。

5.実験準備・点検・修理作業時の安全確保

  • 運転停止,通電停止等の必要な措置をとること。
  • 作業時の墜落,転倒等を防止するための必要な措置をとること。
  • 作業を行う場所は,関係者以外の立入を禁止すること。
  • 作業は,風車を停止させて行うこと。点検等の際に,やむを得ず微速回転で行う場合は,負荷を短絡する等の措置を行い,暴走のおそれのない状態で行うこと。
  • 作業を行うときは,機械の機能を完全に停止したうえで修理中に誤って機械が作動又は移動しないような措置を講じること。

6.実験時の注意

  • 実験を開始するときは計測場所及び風車の周りの安全確認をすること。
  • 実験前には風車各部の取り付けが正常であるか確認すること。
  • 風車が固定されているか確認すること。
  • 検定時のように風車を作動させながら作業をする時,作業している者と確認をとりあうこと。
  • 暴風時に工具,脚立など飛ばされないように整理・整頓しておくこと。
  • 実験中にはインバータ,コンバータ等の電力変換機器には近づかないこと。
  • 風車回転中には回転面上に入らないこと。
  • 実験中には常に風車に注意を払い,風車の挙動を見て,音を聞き,異常が無いか確認すること。
  • 実験中,異常を感じた,あるいは異常が発生した場合には直ちに実験を中止すること。

第3節 小型風力発電装置の実験手順

1.実験準備

  • 計測室及び風車周辺の安全を確認する。
  • 100V配電盤及び200V配電盤の電源を入れる。
  • 電力制御盤,機械制御盤の電源を入れる。
  • 必要に応じて測定用・制御用パソコン,流速計,電力計,計測器の電源を入れる。
  • 各種測定器のパラメータ設定を行う。

2.実験開始.

  • 制御プログラムを立ち上げる。
  • 負荷の解放などにより風車のブレーキを解除する。
  • 必要であれば制御回路または制御プログラムを走らせる。
  • その日の風の状態により,適宜負荷の変更および制御回路を動作させる。

3.実験終了

  • 負荷を短絡する等の操作により風車回転数を0にする。
  • 風車回転の停止を確認後,機械操作盤にあるブレーキオンのボタンを押し,風車の回転を止める。
  • 制御プログラムを停止する。
  • 電力制御盤,機械制御盤の電源を切る。
  • 測定用・制御用パソコン,流速計,電力計,計測器の電源を切る。
  • 100V配電盤及び200V配電盤の電源を切る。
  • 風車周辺及び計測室周辺を見回り,異常がないことを確認の上,施錠すること。

4.実験中に風車が異常動作した時の対処

  • 負荷短絡等の措置により風車を停止する。
  • 異常動作時からの復帰


   (a) 風車を停止した状態にて,搭載されているセンサの状態をモニタ上でチェックする。
   (b) 暴走後の処置は次の通りとする。

  • チェックにより,突風等による過負荷が原因と判明した時には,全ての盤・計測器の動作確認をした後に,負荷設定を増やした状態で実験を再開できる。
  • 原因が不明の場合には実験を中止する。

5.電源関係異常事態の対処

  • 実験中100Vあるいは200Vの電源が落ちた時は,負荷短絡等の操作により風車を停止する。
  • 風車を停止させることが困難な場合は,風速が低くなり,風車が自然に停止するのを待つ。この場合,絶対に風車に近づいてはいけない。

第2章 小型風力発電装置管理マニュアル

第1節 総則

1.目的

  • 本マニュアルは,小型風力発電装置における管理上の留意事項や必要な措置等の指針を示したものである。

2.適用範囲

  • 本マニュアルは,三重大学工学部電気電子工学科電気システム講座制御システム・エネルギーシステム研究室が管理する小型風力発電装置の実験及び作業に適用する。

3.関連規定等の遵守

  • 小型風力発電装置の管理にあたっては,本指針のほか「三重大学工学部健康安全のための手引き」を遵守のうえ安全に行わなければならない。

第2節 安全管理

1.安全管理体制

  • 小型風力発電装置の管理にあたっては,関係者が一体となって安全の確保を図るために,現場の安全管理体制を確立しておくこと。

2.設備内容の周知・徹底

  • 当該設備の内容を関係者へ周知・徹底させること。

3.安全教育

 実験・作業を行う者に対して,以下の関連事項について教育を行うこと。

  • 当該装置の危険性及び機械,保護具の性能・機能,取扱方法,非常停止法
  • 安全装置の機能,性能,取扱方法
  • 実験手順,実験開始時の点検
  • 掃除等の場合の運転停止,通電停止,起動装置施錠等の手順及び必要な措置
  • 非常時,緊急時における応急措置及び退避・連絡等
  • 整理整頓及び清潔の保持,その他必要事項

4.緊急通報体制の確立

  • 実験者は監督者と平素から緊密な連携を保ち,緊急時における通報方法の相互確認等の体制を明確にしておくこと。
  • 緊急連絡表を作成し,関係連絡先,担当者及び電話番号を記入し,計測室等の見やすい場所に表示しておくこと。

5.安全管理活動

 実験において,各種の事故を未然に防止するために次に示す方法等により,安全管理活動を推進すること。

  • 実験計画打合せ
  • 安全教育

第3節 小型風力発電装置周辺の危害防止

1.実験区域の立入防止施設

  • 実験施設の周囲は,必要に応じてチェーン,鋼板,シート又はガードフェンス等防護設備を設置し,実験者及び第三者に対して設備区域を明確にすること。
  • 立入防止施設は,子供等第三者が容易に侵入ではないような構造とし,かつ,その出入口に立入を禁止する表示をすること。
  • 立入防止施設に設けた出入口は,施錠できるようにすること。

第4節 墜落防止・飛来落下防止の措置

1.高所からの墜落防止措置

  • 高さが3m以上の箇所で作業を行う場合は,作業員に安全帯を使用させる等の措置を講じること。
  • 足場,鉄骨等物体の落下しやすい高所には物を置かないこと。また,飛散物を仮置きする場合には緊結するか,箱,袋に収納すること。

2.作業員に対する措置

  • 新規に配属された学生等に対しては,当該現場の墜落危険個所及び墜落のおそれのある作業について,事前に安全教育を実施すること。
  • 安全帯等保護真の保管管理について指導すること。
  • 高さ3m以上の高所からの物体の投下を行わないこと。

第5節 異常気象時の対策

1.気象情報の収集と対応

  1. 計測室にテレビ,ラジオ等を常備し,常に気象情報の入手に努めること。

2.実験の中止

  1. 気象の状況に応じて実験を中止すること。

3.強風に対する措置

  • 強風の際には,屋外での実験準備,計測機器検定等の作業には十分注意すること。
  • 予期しない強風が吹き始めた場合には,特に台車上作業では,作業を一時中止すること。この際,物の飛散が予想されるときは,飛散防止措置を施すこと。

第6節 火災予防

1.防火設備

  • 消火器は,延べ面積に合わせた消火能力を勘案して配置すること。
  • 用途に応じた消火器等消火設備を備えること。消火器は有効期間を確認すること。

第7節 実験環境の保全

1.整然とした実験施設の維持

  • 実験場所,資材置場等の資機材は適宜整理し,整頓に努めること。
  • 柵等は常に整備し,破損・乱れは放置せず,塗装・補修により維持管理を図ること。

第8節 見学者管理

1.保護具等の着用と使用

  • 見学者には,見学に適した服装を身につけ,保護具等を必要に応じて使用すること。

2.危険個所の周知

  • 回転機器,高圧電線等は,その危険性について見学者に十分認識させておくこと。